インターネットの中立性を心配されている方に VPN活用の必要性がますます高まっています

Charlotte Empey 14 3 2018

米国では、インターネット中立性法の撤廃により、ISP(インターネットサービスプロバイダ)がユーザーのインターネット利用をコントロールする力が拡大しようとしています。優れたVPNサービスを使うことにより、ユーザーは、インターネットの中立性確保を、自分自身の手元に置いておくことが可能となります。

2017年12月のFCCの評決により、米国では2015年に制定されたインターネット中立性法の撤廃が決定されたことをすでにご存じ方も多いことと思います。これは私たちにとって何を意味するのでしょうか? インターネットの中立性とは、規制可能な公共サービスにインターネットを分類するもので、その主たる規制は米国のインターネットサービスプロバイダー (ISP) が特定のウェブサイトやサービスを優先的に処遇する一方で、他のサイトやサービスを妨害またはブロックすることを禁じることです。これによって基本的に、ISP にはあらゆるインターネットデータを平等に扱うことが義務付けられました。

インターネットの中立性が失われると、ISPは特定のサービスのパフォーマンスを高めるために、いわゆる「優先レーン」を作り、他のサービスは速度を低下させることが可能になります。また、ISPは競合するサービスや自社の方針と相いれないニュース/政治的/批評ウェブサイトへのアクセスを完全にブロックすることもできます。

こうした行為が必ず行われるという確証はありません。しかし、その可能性があることは否定できないでしょう。そして、もし行われた場合は VPNが皆さんの役に経つサービスとなることをお伝えしたいと思います

VPN、すなわち仮想プライベート ネットワークは、ユーザーとVPN サーバーとの間で暗号化されて保護された接続を確立します。VPNサーバーは、ユーザーが利用しているISPを含め、接続の向こう側にいる他人に、ユーザーが閲覧したサイト、ユーザーが送受信したデータ、そしてこれらの操作を行ったときのユーザーの所在地など、ユーザーのあらゆるオンライン活動を見られるのを防ぎます。ユーザーが使用しているデバイスの種類は何でもかまいません。

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これはサイバー犯罪から身を守り (特に公共の Wi-Fi ホットスポット利用時)、ISP がユーザーの個人的な使用状況データを追跡 (して販売) するのを阻止するための優れたツールです。しかし、VPNはISPが仕掛ける可能性のあるインターネット中立性のゲームで対抗するときに役立つ場合もあります。

その根拠は非常に単純明快です。ユーザーがVPNを使用すれば、ISPはユーザーがどのウェブサイトやネットワークサービスにアクセスしているのか分からないため、それをブロックしたり、速度を低下させたりすることができなくなるのです。ISPには、ユーザーが映画をストリーミングしているのか、音楽を聴いているのか、お気に入りのニュース サイトをチェックしているのか、まったく分かりません。ISP が把握できるのは、最も近い場所にある VPN ルーターの IP アドレスだけです。VPNは基本的に、すべてのデータを再び平等に扱うことを ISP強いることとなりますが、これこそがインターネットの中立性が目指していたことに他なりません。

もちろん、ISPはVPN をブロックしたり、接続速度を絞ったりして反撃する可能性があります。一部のVPNプロトコルは、他のプロトコルに比べて容易にブロックできます。旧式の PPTP プロトコルはブロックが可能ですが、新しく、より堅固な OpenVPN はブロックできません。使われる可能性が高い手法は、ユーザーのVPNを経由するすべての送受信の速度を絞ることです。これにより、ユーザーが利用するインターネット サービスはすべて速度が低下しますが、特定のウェブサイトをブロックされるのは阻止できます。ただし、この手法にはそれなりの問題があります。

インターネットの中立性の問題に関しては、数多くの疑問が残っています。撤廃を阻止するために多数の訴訟が起こされており、インターネットの中立性を少なくともある程度保護する方策を講じるための法律が議会で成立する可能性があります。しかし、それまでの間、ユーザーは ISPがサービス使用契約に加える変更に注意を払う必要があります。また、インターネットを広く開放された状態に保つと同時に、ユーザーのプライバシーをしっかりと確保する上で役立つアバスト セキュアラインなどの強力な VPN の利用をご検討ください。

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