新型コロナウイルス感染症拡大前は、出前やデリバリーサービスはあまり使ってこなかったが、外出自粛期間を機に利用回数が増えた、という方も多いのではないでしょうか。料理をするのが面倒、いつもと違うものを食べたい、という理由で、筆者の家庭も頻繁にデリバリーアプリを使っています。
デリバリーアプリに提供する個人情報について、注意すべきなのでしょうか?私が中華料理が好きなことは知られて当然ですが、ほかにどのような情報を収集しているか、詳しく見てみましょう。
参考:
DoorDashはどのような情報を収集しているのか?
DoorDashは宅配サービスたるもの、ユーザーの家に料理を届けるために名前、メールアドレス、電話番号、住所、支払い方法(クレジットカードやPayPalに関する情報)などの情報を収集します。
DoorDashはプライバシーポリシーで、ユーザーがいつ、どのような商品を注文したか、その際に特別なリクエストがあったか、そして、支払い方法を収集していると明記しています。また、「ダッシャー 」と呼ばれる配達員とのコミュニケーションについても記録していると記載されています。
技術面では、同社は「クッキー、ウェブ・ビーコン、ピクセル、セッション・リプレイ/スクリーン・キャプチャ、及び類似の技術」を利用し、サービスをカスタマイズしているとのことです。また、セッション・リプレイを通して、ユーザーがどのようにアプリをスクロール・操作したかなどの情報をリアルタイムで収集しています。ただし、キーストローク・データは記録していないようです。
パソコンでDoorDashのウェブサイトにアクセスした場合でも、スマートフォンアプリでアクセスした場合でも、「本サイト、アプリ及び本サービスのどの部分を閲覧したかや、お客様の滞在時間」を収集しています。これには、ユーザーがサイトまたはアプリにアクセスする前に見ていたウェブサイト、サイトやアプリのどの部分を訪れたか、滞在時間なども含まれます。
Facebookのアカウントなどと連携すると、DoorDashはそのサービスとも情報を交換します。同社はまた、ユーザーが許可すれば、スマートフォンのアドレス帳にアクセスし、登録されている人へ紹介情報を送ることもできます。さらに、「コンテンツ及び機能をより良く調整し、端末を通じてシームレスな体験」を提供するために、複数の端末でユーザーを追跡します。
収集されたデータはどのように使われるのか?
近くの飲食店をユーザーに紹介したり、注文した料理を配達したりするために、デリバリーサービスはデータを収集する必要があります。その情報はユーザーの好みを知り、将来的に似たような料理をするためにも活用されます。デリバリーアプリの性質として、ユーザーに関する多くのデータを収集しなければいけないのです。
そのため、DoorDashのデータ収集は少し度を越していると思う方もいるかもしれません。ビジネス上、ユーザーの位置情報を常に把握したいのはわかりますが、妥当だとは思えません。ユーザー情報をここまで追跡する必要があるとは思えませんし、第三者による広告など、個人情報が飲食店から料理をユーザーの家に届ける以外の目的で活用されることも好きではありません。(第三者による広告のためのデータ収集を拒否する方法はプライバシーポリシーに記載されています。)
デリバリーアプリがあらゆるデータを収集していることについて、気にするべきでしょうか?
デリバリーアプリは、電話で話す必要がなく、アプリで料理を注文できる便利なサービスで筆者も頻繁に利用しており、今回のリサーチの結果は残念に思います。DoorDashなどのデリバリーアプリがさまざまな方法でユーザーを追跡できることにも不安を感じます。アプリの利便性のために、大量のデータを提供するべきでしょうか?
さらに、新型コロナウイルス感染症の拡大以降、デリバリーサービス各社が飲食店から取る手数料が割高であること、そして怪しいビジネス手法を使っているサービスも一部あることが明らかになっています。
人気が急上昇中のデリバリーサービス。収集される情報について十分に理解した上で利用することをおすすめします。
この記事は2021年6月15日に公開されたFood delivery apps are hotter than ever — what do they track?の抄訳です。