外出自粛による「コロナ太り」などの言葉がささやかれる中、Fitbitなどのウェアラブル活動量計が人気を博しています。しかし、このようなデバイスがどのくらいあなたの情報を収集しているか、ご存じですか?
ウェアラブル活動量計がトラッキングしている情報
ウェアラブル活動量計は、様々な方法であなたの健康状態をトラッキングしています。ユーザーはデバイスが測定する情報を好みに応じてカスタマイズすることができます。
例えば、筆者はFitbitで以下をトラッキングしています:
- 睡眠:就寝・起床時間および睡眠時間
- 心拍数:24時間365日測定し、安静時のデータを取得
- 歩数:1日あたり、1時間あたり
- 体重:体重の増減
- 食事:摂取カロリー、食べたもの
- 運動量:運動の種類、時間、量
- 友達:私は日々歩数を競っている兄としかつながっていませんが、連絡先、Facebook、メール、検索により、友達とつながることもできます
- デバイス:種類、どちらの腕に着けているか
目立たないところで、ウェアラブル活動量計は以下もトラッキングしています。
- 個人情報:生年月日、性別、身長、体重、位置情報(位置情報をオンにしている場合)
- タイムゾーン:私は位置情報は共有していませんでしたが、タイムゾーンは太平洋時間帯に設定しています
- IPアドレス:Fitbitの公式サイトにアクセスした場合
ウェアラブル活動量計ができてしまうこと
ウェアラブル活動量計は見えないところで、さらに多くの情報をトラッキングしている可能性があります。私の個人的な憶測ではありますが、ユーザーが思いもしない方法で、トラッキングを介して収集されたデータが利用されるかもしれません。
先日、私は友人とお酒を飲みながらブランチを満喫し、やや不健康な一日過ごしました。にもかかわらず、帰宅後、その日3,000キロ以上のカロリー消費をしていたことに気がつきました。運動は全くしておらず、1万歩の目標も達成できていませんでした。なぜだろうと思い、調べてみることにしました。
Fitbitのコミュニティサイト上のスレッドによると、飲酒している際、また、飲酒後の数日間、心拍数が普段より高くなることがあり、Fitbitが飲酒を運動と間違えて、消費カロリーを不正確に計算してしまう可能性があることがわかりました。
このことについて調べている際、私は、Fitbitを想定外の方法で使用している人がいることに驚きました。ある記事によると、ウェアラブル活動量計を使用し、違法ドラッグを摂取する際の心拍数をモニタリングしている人がいるようです。また、毎年開催される音楽・アートフェスティバルの「バーニングマン」では、薬物使用を把握するためにFitbitを活用していたという話もありました。
理論的には、ウェアラブル活動量計の位置情報(バーなのか、バーニングマンなどのフェス会場にいるのか)、日時、そして心拍数などのデータを通して、そのユーザーが薬物やアルコールを摂取していたか特定できてしまうことになります。そのためには、薬物の使用を他の活動から識別するため、集計データを調査する必要があります。実際に起きる可能性は低いかもしれませんが、このようがデータがあれば、特定の人のおおよその健康状態を知ることができてしまいます。
保険会社との連携の可能性
米国では、オバマケアで知られるアフォーダブルケア法(ACA)と呼ばれる医療保険制度の改革により、持病などによる保険適用の差別を禁止あるいは緩和しています。しかし、もしこの法律が廃止された場合、ウェアラブル活動量計のデータをもとに心臓病、肥満、さらには不妊など診断されてしまう可能性があります。
このようなことが行われている証拠はありませんが、Fitbitは保険会社や雇用者を支援する事業にも取り組んでいます。また、法的に要求された場合、ウェアラブル活動量計を提供する企業は法執行機関にデータを共有することがあります。そのため、あなたのデータがどのように使用される可能性があるか、ユーザーとして理解しておくことが重要です。
最後に、Fitbitが私のSNSアカウントを把握しているか気になり、「サードパーティアプリ」を確認してみたところ、唯一つながっているアカウントはMyFitnessPalだけでした。しかし、FacebookやGoogleのサインインオプションを使うと、そのアカウント情報も収集されていることになります。
次回はウェアラブル活動量計に提供しているデータがどのように利用されているかについてご紹介します。
この記事は2021年1月19日に公開されたHere's what your Fitbit knows about youの抄訳です。