近年、シニア層を狙ったサイバー攻撃が無視できないほど増加傾向にあります。米国のNational Council of Agingは、シニア層は年間で約30億米ドルにおよぶ詐欺被害に遭っていると推定しています。この年齢層は、インターネットに関する知識が限られていることが多いことから、攻撃者が好んで標的にしています。そのため、セキュリティ対策に関する知識を蓄えていくことが重要です。ここでは、オンライン詐欺に騙されないための、おじいちゃん・おばあちゃんへのヒントをご紹介します。
知らない送信者からのメール内のリンクや添付ファイルは無視する
攻撃者がマルウェアを拡散するために利用する一般的な方法として、フィッシングメールが挙げられます。このような詐欺メールは、知り合いからのメールに見せかけて送られることが一般的です。多くの場合、メールにはリンクや添付ファイルが含まれており、メール文はそれらをクリックするよう促します。しかし、クリックすると、デバイスにマルウェアがダウンロードされてしまいます。デバイスがマルウェアに感染すると、連絡先を通して、さらにマルウェアが送信、拡散されます。
自動音声や録音された電話は無視する
「ヴィッシング」とも呼ばれる、音声を使ったフィッシング詐欺は、簡単に仕掛けることができてしまいます。電話に出ると、録音された音声があなたに緊急に対応してほしい偽の案件を伝え、対応するために個人情報を提供するよう求めます。提供した個人情報は盗難され、悪用される可能性があるので、電話に出た際に録音された音声が聞こえた場合は、すぐに電話を切りましょう。
知らない相手からのSMS内のリンクや添付ファイルは無視する
フィッシングメールと同様、SMSのフィッシング詐欺も標的にリンクをクリックさせたり、添付ファイルをダウンロードさせたりしようと誘導します。これらのリンク先や添付ファイルにも、デバイスから個人情報を奪うマルウェアが含まれています。最近は宅配業者を装ったフィッシング詐欺が多く見られます。実際に配達を待っている場合でも、メッセージ内のリンクをクリックする際には細心の注意を払ってください。多くの宅配業者は追跡コードを提供しており、その業者のサイトで配達日時を調べることができます。心当たりのない配達通知が来た場合は、削除しましょう。
知らない相手からのSNS上のメッセージ内リンクや添付ファイルは無視する
SNS上でも、見知らぬ人は信用してはいけません。Facebook、Twitter、Instagram、LINEなど、どのプラットフォームもサイバー犯罪者が作成した偽のプロフィールが数多く存在します。彼らはあなたの「友達」になろうとして、悪意のあるリンクや添付ファイルを送る可能性があるので、メッセージを開く際は注意が必要です。SNSのプライバシー設定を調整し、アカウントを保護しましょう。
アンチウイルスソフトウェアをインストールする
サイバー攻撃者は最先端の技術を使用していますが、デバイスにアンチウイルスをインストールすれば、攻撃を阻止できます。アバスト無料アンチウイルスは、次世代のサイバーセキュリティ技術を使用して、上記のようなフィッシング攻撃を検出します。常に最新の技術で保護されるように、アンチウイルスは定期的に更新し、最新の状態を保つようにしましょう。
フィッシング詐欺にも、国際ロマンス詐欺や国税庁を装った詐欺など、シニア層を狙った詐欺は数多く存在します。詐欺師が標的を騙して機密情報を盗んだり、デバイスにマルウェアをダウンロードさせようとしたりする方法は様々です。
覚えておいてほしいのは、「インターネット上の見知らぬ人を信用しない」ということです。自分自身がシニアであろうと、シニア層のお世話をしている人であろうと、インターネットを利用する際には常にこのことを念頭に置きましょう。