一夜にして大人気アプリとなった「Clubhouse」。2021年1月31日、イーロン・マスク氏がClubhouseに参加するとツイートし、2月10日には、FacebookがすでにClubhouseの競合となるアプリを開発しているとニューヨーク・タイムズ紙が報じました。
2021年2月15日時点で、ClubhouseはApp Storeの無料ソーシャルネットワーキングアプリカテゴリで6位でした。ご参考までに、Facebook Messengerは2位、WhatsAppは3位、Telegramは7位です。
Clubhouseは音声のみのSNSアプリで、友人や見知らぬ人と一緒に「ルーム」で話すことができます。多くのルームは、特定の話題をテーマにしています。
新たなSNSアプリが登場すると、多くの場合、セキュリティやプライバシーに関する懸念が指摘されます。このシリーズではClubhouseの安全性、セキュリティ、プライバシーをご紹介します。主要な機能をよく理解し、十分な情報に基づいて参加するか判断することを推奨します。
Clubhouseは他の一般的なSNSアプリと比べて、ユーザーに求める・収集している情報が少なく、多くの安全機能が搭載されています。さらに、乱暴な発言や嫌がらせをするユーザーを対処するための一見堅牢なフレームワークを備えています。Clubhouseをより安全に利用するには、フォローする人を選ぶことの重要性と、ルーム内でのモデレーターの役割を理解する必要があります。
このアプリについて深掘りする前に、この記事を読んでいる保護者の方へ一言。現時点では、Clubhouseは18歳未満のユーザーを対象としていません。しかし、アプリには年齢確認やコンテンツのフィルターはありません。アダルト関連の話題について話すルームも存在します。これらを考慮し、いくらお子さんが「流行っているから参加したい」と言っても、参加させないようにしましょう。
Clubhouseを利用するにあたって
Clubhouseは現在、招待制です。新規のユーザーが参加するには、既存ユーザーがアプリを通して、SMSメッセージで招待状を送信します。初めて参加する際には、電話番号を入力し、Twitterと連携するか選択、ユーザー名を記入、そしてプロフィール写真をアップロードします。また、通知や連絡先へのアクセスの許可も求められます。
最後に、興味のあるトピックを選択します。これは、Clubhouseがあなたの興味に関連したルームを提案するために使用されます。
Clubhouseの仕組み
アプリを起動すると、「フィード」、「ホールウェイ(廊下)」、「全室画面」、「ロビー」などと呼ばれている、ホーム画面が表示されます。ホーム画面には、現在アクティブなルームが表示されます。自身でルームを開始することもできます。
ルーム内の参加者は、ルームをコントロールする「モデレーター」、話すことができる「スピーカー」、聞くことができる「リスナー」に分けられます。ルームには「オープン」(誰でも参加可能)、「ソーシャル」(モデレーターがフォローしている人のみ参加可能)、「クローズド」(追加されたメンバーのみ参加可能)の3種類があります。オープンのルームは、多くの人が参加できるよう、トピックを表示することができます。
注意すべき点は、Clubhouseは「信頼の輪」モデルを採用していることです。AさんはBさんを信頼しているため、Bさんをルームに追加します。Bさんも、Cさんを信頼しているため、Cさんを同じルームに追加します。結果的に、AさんはBさんだけでなく、Cさんも信頼していることになるのです。つまり、ソーシャルのルームを利用する場合は、誰をフォローするか、つまり誰を信頼するか、慎重に考える必要があります。
初めてルームに参加するとき、お使いのデバイスのマイクへのアクセスの許可が求められます。アクセスを拒否してもルームに入ることはできますが、ルームを始めることはできません。また、マイクが無効の状態でルームに入ると、「リスナー」として分類され、話すことはできません。発言するには、まず「挙手」し、モデレーターに「スピーカー」にしてもらう必要があります。モデレーターがいることで、参加者間の会話をコントロール、迷惑なスピーカーは素早くミュート、または追い出すことができるため、ルーム内での混乱を防ぐことができます。
モデレーターはルームで重要な役割を果たします。ルーム内のほかの人にモデレーターの役割を与えることができるため、もしあなたがルームを始める場合、誰をモデレーターにするかを慎重に考えましょう。また、モデレーターは参加者を追加、ミュート、削除、ブロックすることもできます。
モデレーターはさらに、ルーム内で「挙手」できる人を、スピーカーがフォローしている参加者に限定したり、完全にオフにしたりする権限もあります。
Clubhouseを「音声だけのZoom」と呼ぶ人もいますが、モデレーターがコントロールできる範囲はZoomより広いです。小さなルームはグループ通話、大きなルーム(特に話題が設定されたルーム)は、ポッドキャストやラジオのトーク番組に似ていると言えます。
Clubhouseのプロフィール
Clubhouseのプロフィールは、自分の情報を表示するだけでなく、他のユーザーについて知りたい情報を見ることができます。プロフィールはすべてのユーザーに表示され、自分のプロフィールを隠したり、特定のデータを隠したりすることはできません。
Clubhouseのプロフィールには、表示名、ユーザーネーム、フォローしている人数とフォロワー数、簡単なプロフィール文、TwitterとInstagramへのリンク(どちらにもコンテンツを与えたり、受け取っていません)がありますが、ほかのSNSと違い、場所を表示しません。また、プロフィールには、あなたを招待した人と、あなたがClubhouseに参加した日が表示されます。
他のユーザーのプロフィールを見たい場合は、ルーム内でその人のアイコンをタップして確認できます。
この記事では、Clubhouseの概要を紹介しました。次回は、Clubhouseのセキュリティとプライバシー、そして全体的な安全性について見てみます。
この記事は2021年2月15日に公開されたClubhouse: Security and privacy in the new social media appの抄訳です。