アバストは、現在のウクライナでの情勢を踏まえ、ウクライナ・ロシアにいる従業員と密に連絡を取り、従業員を保護するための活動を行っています。ウクライナ・ロシアの従業員への給与の支給を続けているほか、危険地域の一部の従業員とその家族には、要望に応じて一時的な移転を支援しています。従業員が直面している困難と危機は、当社にとって懸念の種となっています。
アバストは1988年にソビエト連邦の衛星国であった旧チェコスロバキアで設立されました。1989年には自由化されたチェコスロバキアで法人化し、晴れてアンチウイルスを商用販売できるようになりました。アバストの歴史、文化、経験、そしてテクノロジーにおける理念は、当社のミッションと価値感に反映されています。
アバストでは、すべての人のデジタルの自由を守り、安全にインターネットを利用する権利を確保することが非常に重要であると考えています。当社はこのミッションをもとに、インターネットを改善し、より公平で公正なデジタル社会を実現し、すべてのオンライン市民を支援することを目指しています。私たちは、罪のない人々の生命と生活が危険にさらされ、あらゆる自由が虐げられているウクライナの情勢に心を痛めています。
上記の理由から、アバストはロシアとベラルーシにおける製品の提供を停止します。これらの国でのマーケティングおよび販売関連の業務もすべて停止しております。
ロシアでは20年近く製品を提供しており、同国のユーザーの皆様は当社のコミュニティの重要な一員です。しかし、政治的争いからオンライン市民を守ることに注力してきた当社が、戦争に加担したり、利益を享受することはできません。アバストは、ロシア政府に毎年250万米ドルの売上税を納めていることから、今回、ロシアの行為に加担するようなことを避けるため、ロシアとベラルーシにおける業務停止を決断しました。
ウクライナでは、製品提供を継続してまいります。有料製品のユーザーの皆様には、すでに無償でライセンスを延長しています。また、無料製品のユーザーの皆様にも、有料製品を無償で利用いただけるようにしています。もちろん無料製品も引き続きご利用いただけます。フェイクニュースが蔓延する中、ウクライナの人々が安全かつ制限なくインターネットを利用し、紛争に関する正確な情報を入手・共有できるよう支援することは、当社にとって極めて重要です。
人道支援について
アバストでは、従業員の寄付金マッチングプログラムを開始したほか、慈善事業部門であるAvast Foundationを通じて、People in Needを含む人道支援団体に80万米ドル以上を寄付しています。私たちは、このような取り組みへの参画、ボランティア活動に従事している従業員を非常に誇りに思っています。またアバストでは、現地の慈善団体と協力し、ウクライナの団体へのサイバー脅威の回避や、サイバー攻撃からの回復を支援しています。
今後も状況の変化を注視しながら、必要に応じて対応を行っていく予定です。アバストは、平和を取り戻し、人命を守るために活動している世界中の政府や機関が勝利することを願っています。
この記事は、2022年3月10日に公開されたAvast's response to the war in Ukraineの抄訳です。