電話機からスマートフォンへの進化とともに、電話を使った詐欺も年々進化しています。中でも、ヴィッシング詐欺は30年以上わたり人々の機密情報を搾取しており、今でも犯罪者にとって効果的な詐欺として利用されています。ここでは、ヴィッシング詐欺について説明し、詐欺に騙されないためのヒントをご紹介します。

ヴィッシング詐欺とは？

ヴィッシング詐欺とは、電話や留守電を悪用した詐欺です。詐欺師は信頼できる組織や企業を装い、標的に電話をかけ、クレジットカード番号やマイナンバーなどの個人情報や金銭情報を盗み取るために、標的を騙そうとします。

ヴィッシングとフィッシングの違い

ヴィッシングとフィッシングは名前が似ていますが、全く異なる種類の詐欺です。

フィッシング詐欺は、機密情報を盗むことを目的とした様々な攻撃の総称で、電話、メッセージ、メール、ウェブサイトなど、あらゆる形で展開されます。ヴィッシング詐欺はフィッシング詐欺の一種で、電話や留守電などの音声メッセージを使った詐欺を指します。

フィッシング詐欺の例として、特定の個人や組織を標的にしたスピアフィッシングや、テキストメッセージを使って標的を騙そうとするスミッシングなどがあります。さらに、有名人や政治家など著名人を狙い、脅迫する、ホエーリングという手法もあります。

これらの詐欺はすべて、標的の情報を盗むという共通の目的を持っています。

参考ブログ: 2022年上半期に流行したフィッシング詐欺、あなたはいくつ知っていますか？

ヴィッシング詐欺の手口

ヴィッシング詐欺には様々な手口がありますが、近年は金銭情報や個人情報を盗み出すものが主流となってきています。

詐欺師はできるだけ多くの人を標的にするために、大量の電話番号をスキャンし、連続的に電話をかける、「ウォーダイヤリング」という技術を使うことがあります。

また、VoIP（Voice over Internet Protocol）を使ったヴィッシング詐欺も確認されています。オンライン電話サービスを使えば、詐欺師は簡単に多数の電話番号を作成し、自分の身元を隠しながら詐欺を仕掛けることができます。

通話中、詐欺師はクレジットカード情報や個人を特定できる情報を聞き出そうとします。そして、その情報をもとに、さらに個人情報を盗んだり、銀行口座からお金を引き出したりします。

ヴィッシング詐欺を見分けるには

ヴィッシング詐欺からどのようにご自身や家族を守ることができるのでしょうか？実は、ヴィッシング詐欺対策は簡単に実施できます。

ヴィッシング詐欺が成功するかは個人情報を詐欺師に渡すか、渡さないか、にかかっています。個人情報が詐欺師に渡ってしまうと、詐欺被害に遭う可能性がありますが、渡さなければ、被害を回避することができるのです。

そのため、電話口で個人情報を聞かれたときは、懐疑心を持つようにしましょう。相手は正規の企業や組織の人かもしれないですが、何かおかしいと感じたら、情報を共有してはいけません。一旦電話を切り、その企業や組織の公式ウェブサイトにて電話を確認し、再度電話をかけ直しましょう。

また、企業があなたのクレジットカード情報などの個人情報を要求することは滅多にありません。また、このようなメッセージが留守電に入っていた場合は、その電話番号にかけ直すのではなく、公式ウェブサイトにて正規の電話番号を見つけ、その企業や組織に所属する人が本当にあなたに連絡したのか、確認しましょう。

きちんと対策し、電話で個人情報を要求する人は疑い、自分の安全を第一に考えれば、こうした詐欺を回避することは可能なのです。

この記事は、2022年10月6日に公開されたWhat is vishing and how do I protect myself against it?の抄訳です。