デジタルネイティブ世代と、インターネットが普及する前に生まれ育った世代の違いについてよく耳にしますよね。デジタルに関する知識やコミュニケーション手段が常に進化している中、世代間の違いが生まれることは避けて通れないのです。
アバストがオンライン詐欺に関する調査を行った結果、詐欺に対する意識や対策も、世代によって違うことがわかりました。アメリカで実施されたこの調査によると、18歳~34歳の人のほうが、55歳以上の人よりもオンラインで知り合った人に個人情報を共有する可能性が高いことが分かりました。
オンラインで出会い、対面で会ったことのない相手(恋愛対象者、仕事関連の人、新たな友達など)に、生年月日/携帯番号/SNSのユーザー名/勤務先/家族の名前をシェアして良いと思うか、という質問に対して、「共有しても良いと思う」と回答した世代別の結果は以下の通りでした。
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18歳~24歳 |
25歳~34歳 |
55歳以上 |
生年月日 |
24% |
22% |
9% |
携帯番号 |
40% |
30% |
21% |
SNSのユーザー名 |
31% |
30% |
10% |
勤務先 |
16% |
10% |
5% |
家族の名前 |
13% |
9% |
2% |
若年層の人は55歳以上の人に比べて、オンラインで個人情報を共有することを控えていないことがわかります。一因として、18歳~34歳の年齢層はインターネットに慣れていることが考えられます。40歳以下の人は子どもの頃からインターネットにアクセスでき、25歳以下は携帯電話のない世界に暮らしたことがありません。今年18歳を迎える人は、初代iPhoneが発売されたときに2歳だったので、スマートフォンのない世界を知らないとも言えるでしょう。
これを1950年生まれと比較してみましょう。1949年にはアメリカ国内のテレビの数が100万台以下だったのが、1969年には4,400万台にまで急成長したのを経験した世代です。子どもの頃、家に電話があったとしても、おそらくダイヤル式の電話だったでしょう。そして、地元以外への通話料は高いので、控えるよう保護者に指摘されたかと思います。
若年層は小さい頃から、見知らぬ人と個人情報を共有することに慣れているのです。一方55歳以上の人は、身の回りの人以外とあまりコミュニケーションをとらず、ましてや個人情報のやり取りをしない時代に育っています。
しかし興味深いことに、「詐欺による被害を防ぐため、オンラインでの個人情報の共有を制限していますか?」という質問に対して、どの世代でも8割以上が「とても制限している」もしくは「やや制限している」と回答しています。実際の行動と、自分たちが考えている行動との間に乖離があることを物語っています。
アバストの最高情報セキュリティ責任者(CISO)であるジャヤ・バルー(Jaya Baloo)は、次のように述べています。「詐欺師は、人々の感情や状況、時事問題などを利用してお金を稼ごうとする悪質な存在です。特にインターネット上での詐欺がますます巧妙になってきているなか、個人情報をオンラインで共有したり、なりすましの可能性のあるリンクをクリックしたりする前に、一度考えてみましょう。」
デジタルネイティブ世代の皆さんは、自分たちよりシニア層のほうがオンライン詐欺に騙されやすいと思っているかもしれません。年上の人からインターネットについて学べることはないとは決めつけず、ご自身の個人情報を守り、詐欺を防ぎましょう。