ポストコロナ、オンラインの世界は大きく変わります。

Grace Macej 24 9 2021

コロナ禍で多くの人がインターネットに頼った一方、プライバシーやセキュリティの懸念を理由にインターネットの利用を躊躇する人もいます。

世界中でインターネット利用が増加している中、オンラインでのプライバシーやセキュリティに対する関心も高まっています。アバストはYouGov社Forsa社と協力し、「デジタル・シチズンシップ・レポート」を発表しました。17カ国で16,000人以上のインターネットユーザーを対象に実施された同調査では、新型コロナウイルスの感染拡大を伴い、インターネット上での行動や意識の変化について調査しました。

アバストの最高情報セキュリティ責任者(CISO)であるジャヤ・バルー(Jaya Baloo)は次のように述べています。 「新型コロナウイルスの感染拡大により世界は劇的に変化しました。私たちの日常生活はデジタル化が加速し、インターネットに対する意識や行動も変わりました。本調査の回答者の8割以上がプライバシーは非常に重要だと考える一方、3分の2近く(65%)の人が、プライバシーを懸念しオンラインで何かすることを控えたと答えています。アバストでは、人々がどのようにテクノロジーを利用し、どのようなニーズがあるのかに焦点を当て、ポストコロナ時代もセキュリティとプライバシー保護を強化していきます。」

新型コロナウイルスの感染拡大がオンラインでの活動に与えた影響

新型コロナウイルスの感染拡大は世界中の人々のインターネット利用に大きな変化をもたらしました。外出自粛により日常生活のオンライン化が進み、また、多くの企業でもデジタル化やリモートワークが普及し、「ニューノーマル」が生まれました。また、デジタルリテラシーやインターネットへの信頼など、インターネットに対する意識も世界的に変化し、その安全性に対する懸念を持つようになった人もいます。さらに、これまであまりインターネットを利用していなかったシニア層や子ども、デジタル化に消極的だった人も、日常的なインターネット利用に慣れていきました。

調査によると、回答者の3分の1が、今後も生活を便利にするオンラインサービスやアプリを使い続けると回答しました。一方、データ保護やオンラインでの安全性を懸念し、規制の強化を求める声が高まっていることも明らかになりました。

バルーは次のように述べています。「新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、あらゆる年齢層のデジタル市民にとって、インターネットの重要性は増しました。インターネットを通して友人や家族と連絡を取ったり、SNSを利用する時間が増えたり、オンライン診療を利用したり、新しい方法でデートを楽しむことができるようになりました。しかし、多くの人がプライバシーに関して非常に高い意識を持つようにもなっています。新型コロナウイルスの終息後もあらゆるオンラインサービスを利用し続けたいと思っている人が多い一方、プライバシーを懸念して、オンラインでの活動を控えている人も多くいます。」

主な調査結果

  • 新型コロナウイルスの終息後もインターネットを利用し続ける:全回答者の10人に6人がコロナ禍でインターネットの重要性が高まったと認識し、33%が新型コロナウイルスの終息後も多くのことをオンラインで続けると回答しています。興味深いのは、65歳以上の回答者の31%がオンラインでの活動が増えていくと考えているのに対し、18歳〜24歳では17%にとどまりました。若い世代は、シニア層よりすでに多くの活動をオンラインで行っているためだと推察されます。
  • インターネットでの学習:29%が外出自粛中、新しいことを学んだり、体験したりするのにインターネットが役立ったと回答しています。また、5人に1人がインターネットの利用が増えたことでテクノロジーに対する自信が高まったと答えています。
  • インターネット利用と共に、データ保護への関心も増加:インターネットユーザーの83%(日本:71%)がデータ保護は重要であると考えているものの、データ保護法を強く信頼していると答えたのは43%(日本:30%)でした。また、回答者の3分の2(65%)が、セキュリティやプライバシーへの懸念からオンラインの活動を控えており、この傾向は特に65歳以上の人(69%)に見られます。また、日本人の38%が詳細な個人情報の提供を必要とするオンラインアカウントへの登録を、29%がファイルのダウンロード、21%が公共のWi-Fiの使用を控えています。
  • プライバシーに関する理解と知識の不足:調査では、オンラインでのプライバシーに関する人々の理解や知識が不足していることがわかりました。プライバシーについてよく知っていると思っているのは、全体のわずか53%でした。また、オンラインサービスのプライバシーポリシーを読んでいると回答したのもわずか49%でした。
  • デート、ジム、銀行もオンライン化:コロナ禍、オンラインショッピング(35%)、オンラインでの運動セッション(25%)、オンラインバンキング(21%)など、以前はオフラインで行っていたことをオンラインで行う機会が増えた人が多くいます。また、オンライン学習(34%)、オンライン診療サービス(30%)、オンラインでのデート(23%)をした人も多くいます。

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インターネットを利用した新しい体験

外出自粛により、インターネットを利用して新しいことを体験する人も増えました。例えば、日本人の2割以上(22%)がコロナ禍で初めてビデオ通話を利用したと答えています。

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インターネットで生活をより快適に

全世界の約3分の1(34%)がコロナ禍、生活をより快適にするための手段としてインターネットを利用したと答えていますが、日本では18%にとどまりました。rc6XwzWR5KoQz8OxLHJNqbX85T97RC79EYz3wa49IqPP-Acih1ITjUGuVIMpaM-TchHZf5SqCxPtHwjeUor8g3oFMFPhzw2rhO-Frp6EdM-4rw_bxuq2AxOyESHrttH2Ca6GUMNS=s0

また、回答者の3分の1が、コロナ後も生活を楽にするためのオンラインサービスを使い続けると答えていることがわかりました。

シニア層のインターネット利用

インターネットによって外出自粛中の生活がより快適になったと回答した人の割合が、65歳以上(36%)と18歳~24歳(37%)でほぼ同じ結果となり、インターネットが与えている影響は世代によってあまり差がないことがわかりました。

インターネット利用への自信

コロナ禍のインターネット利用の増加により、世界全体で多くの人がインターネットを使いこなす自信を持つようになったことがわかりました。しかし、この割合は日本では5%と、国別で見ると最も少ない結果となりました。

安全への懸念が人々のインターネット利用を阻害

インターネット利用の増加に伴い、懸念事項も増えていることがわかりました。

主な調査結果

  • 65歳以上の女性の69%がオンラインでのプライバシーについて心配していると回答しました。
  • 65%が、セキュリティやプライバシーの懸念から、オンラインでの活動を控えたことがあると回答し、そのうち30%は、プライバシーに対する懸念から、公共のWi-Fiの利用を断念しています。
  • 28%が、プライバシーを懸念してオンラインショッピングをやめたことがあると回答しました。
  • 37%が、プライバシーへの懸念でウェブサイトに登録することを控えたと答えています。

インターネットによって、コロナ禍でも普段の生活をある程度維持することができ、これまで以上にデジタル化への抵抗がなくなっています。しかし、今回の調査で、インターネット利用に自信を持っている人と、必要に迫られてインターネットを使っている人がいることが明らかになりました。

バルーは次のように述べています。「現在、インターネットを利用したいけど、リスクを恐れている人が多くいます。私たちは、インターネットを利用する人たちへのリスクを減らし、オンラインでの時間を楽しめるよう、デジタルの自由のために尽力し、現在と将来のデジタル市民のプライバシーを保護します。

詳細は、デジタル・シチズンシップ・レポートの全文(英語)をご覧ください。

調査方法

本調査はアバストがYouGovおよびForsaに委託し2021年6月15日~6月27日に実施したもので、日本国内の回答者1,011人を含む、世界17カ国の16,147人のオンラインユーザーを対象に行われました。調査は、アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、チェコ共和国、フランス、インド、日本、メキシコ、ニュージーランド、ロシア、スロバキア、スペイン、英国、米国でYouGovに、オーストリア、ドイツ、スイスではForsa委託し、実施されました。

この記事は2021年9月16日に公開されたAvast 2021 Digital Citizenship Report: Online life has changed forever post pandemicの抄訳です。

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