今回のワールドカップは、開催地のカタールでの人権侵害が物議を醸しているものの、前回に引き続き世界中の人が画面越しで試合を見たり、現地に足を運ぶことでしょう。このようなイベントがある度、サイバー犯罪者はそれに便乗して、チケットや最新情報を探している人々を狙います。チケット詐欺や抽選詐欺から、SEOポイズニング、フィッシング、マルウェアの配布まで、世界的なスポーツイベントの際に多く見られる詐欺や脅威について解説します。

チケット詐欺

チケット詐欺は、あらゆるイベント、フェス、コンサートで見られており、ワールドカップも例外ではありません。自分だけイベントに参加できないことへの不安（FOMO）を感じる人も多く、詐欺師はそれを逆手にとって、売り切れのチケットを標的に買わせようとします。ワールドカップに関しては、FIFA（国際サッカー連盟）の管轄外ではチケットの販売や転売は行われていません。チケットはオフィシャルサイト経由で購入しましょう。

抽選詐欺

ワールドカップの開催地に遠征して、自国の代表チームを応援しようと思っている人も多いと思います。サイバー犯罪者はそれに便乗して、現地までの航空券、ホテル、試合のチケットを無料で獲得できる「抽選」の名目で、ファンを騙そうとします。しかし、正当な抽選もあるため、インターネットで本物かどうかを調べてみましょう。また、もしこうした抽選を目にした場合は、一度立ち止まって、もしそれが詐欺だったときのシナリオを考えてみると良いかもしれません。。

SEOポイズニング

SEO（Search Engine Optimization）とは、ウェブサイトの検索エンジンとの関連性を高め、検索結果の1ページ目に表示させ、クリックや訪問者を獲得するために用いられる手法のことを指します。ワールドカップの開催期間、試合、結果、ワールドカップ周辺のニュースに関する検索が上位を占めると考えられます。サイバー犯罪者は、悪質なウェブサイトを検索結果の上位に表示する「SEOポイズニング」という手口を長年利用しており、ユーザーの認証情報の窃盗からマルウェアのインストールまで、さまざまな悪質な目的のために標的を自分のウェブサイトに誘い込もうとします。被害に遭わないよう、検索結果をむやみにクリックせず、怪しいURLかどうかを確認するようにしましょう。

SNSでの偽情報

TikTokからFacebookまで、ワールドカップ開催期間中はすべてのSNSにサッカーコンテンツが溢れることになります。SNSを主な情報源として利用する人が増えているなか、偽情報の拡散や悪質なウェブサイトへの誘導など、様々な悪用も予想されます。SNSを利用する際は細心の注意を払いましょう。

フィッシングとマルウェア

ワールドカップに関する広告やメールにご注意ください。中にはリンクのクリックやファイルのダウンロードを促すことで、あなたの認証情報を盗んだり、デバイスをマルウェアに感染させたりする悪質なものも含まれています。

詐欺や脅威から自分を守り、インターネットを安全に利用するためのヒントを以下にご紹介します。

1. ソフトウェアやアップデートは必ず、公式サイトやアプリストアから入手し、第三者からのダウンロードは避けましょう。デバイスが悪質なソフトウェアやマルウェアに感染し、ハッカーにデバイスを遠隔操作されたり、個人情報にアクセスされるリスクがあります。
2. 知らない相手から送られた、心当たりのない購入やアカウントに関する怪しいリンクはクリックしないようにしましょう。クリックしてしまうとサイバー犯罪者はあなたの情報にアクセスし、スパイウェアやランサムウェアなどのマルウェアをデバイスにインストールできるようになってしまいます。
3. 多要素認証を使いましょう。ログインする際にユーザー名とパスワード以外の認証情報を追加することで、ハッカーがあなたのアカウントにアクセスすることを困難にします。
4. オンラインアカウントを作成する際には、強力でユニークなパスワードを設定するか、パスワード・マネージャーを活用しましょう。パスワードは、ハッカーがあなたのデバイスや個人データにアクセスする際の最初のセキュリティとして機能するため、自分だけが分かるようなものに設定しましょう。
5. 信頼できるアンチウイルスソフトやセキュリティソフトを使用しましょう。デバイス上の悪質なソフトウェアを検出し、ブロックすることにより、オンラインの脅威や攻撃から継続的に保護することができます。アンチウイルスソフトは、あなたの情報を完全に保護し、優れたセキュリティを維持するために不可欠です。

この記事は、2022年11月10日に公開されたWorld Cup 2022: Watch out for scamsの抄訳です。