ブレイク・フライシュハッカー(Blake Fleischhacker)とデイブ・アンダーソン(Dave Anderson)が共同設立したMy Life Onlineは、学校や地域社会を超えて、子どもたちに賢く、安全にインターネットの利用方法を教えるプログラムを提供しています。子どものレベルに合わせた話し方や教え方を心がけながら、良識と敬意のあるオンラインでの行動について指導を行っており、ネットいじめへの対処方法についても解説しています。
子どもは、いじめっ子の言動をコントロールすることはできませんが、そうした言葉や行動にどのように反応するかをコントロールすることはできます。「現代の子どもたちには、いじめっ子をどのように扱うか、いじめをどう対処するかという新しいライフスキルが求められています。私たちはネット上でのいじめを3ステップのアプローチで対処することを推奨しています。」とブレイクは述べています。このアプローチは子ども向けに作られたものですが、あらゆる年齢であっても、ネガティブなコメントにはこの手法で対応するよう呼びかけています。
ネットいじめを対処する3ステップ
- 嫌悪感を評価する:まず、意地悪なコメントや傷つくような行為に対して、嫌悪感がどの程度かを評価します。もし、強い嫌悪感を感じる場合、すぐに大人に知らせましょう。嫌悪感がさほど強くない場合は、放っておきましょう。このプロセスにより、子どもたちはネットいじめを客観的に見ることができるようになり、大したことのないコメントについては見過ごすことができるようになります。多くの場合、嫌悪感は高くも低くもなく、中程度と評価されます。その場合、ステップ2、3へ進みます。
- 自分自身へのメッセージを書く:このプロセスにより、仕返しやいじめがエスカレートすることを避け、子どもは傷ついた自分自身の感情に向き合うことができます。いじめっ子に対して、ではなく、自分自身にメッセージを書くことが重要です。このプロセスでは、いじめっ子が言ったセリフを真逆の言葉に言い換えます。例えば、「バカ」や「ブス」と言われた場合は、「私は賢い」「私は美しい」と書きます。子どもはこれらの言葉を書き留めて、実際に目で見る必要があります。さらに、このメッセージを自分自身にメールで送ることを推奨しています。ポジティブな言葉を実際に目にすることで、ネガティブな言葉で傷ついた気持ちを少しだけ癒やすことができます。
- 友達や家族にメッセージを送る:さらにネガティブな気持ちを消し去るために、友達や家族にポジティブなメッセージを書いてみましょう。励ましの言葉、褒め言葉、面白い写真、好きな音楽など、受け取った人が笑顔になるようなものであれば何でも構いません。このプロセスを通して、いじめられていた子どもは、被害者という感情が消え、ポジティブで前向きな感情に後押しされるでしょう。
こうしたステップを通して自分の感情と向き合うことで、仕返しを避け、深刻なダメージを与える可能性のある喧嘩や炎上を最小限に抑えることができます。ネット上のいじめは、子どもたちが自らを大切にし、必要に応じて助けを求め、周りの人にポジティブなメッセージを広めることの重要性を教えるきっかけになっています。
この記事は2020年4月2日に公開されたDigital Sanity Summit: How to deal with cyberbullyingの抄訳です。