「パスワードの再設定を手伝ってほしい…」嘘のメッセージに要注意!#1

Emma McGowan 10 2 2022

良心につけ込む詐欺に注意しましょう。

困っている人を助けたいという感情は、人間の最も優れた本能の一つではないでしょうか。一方で、それは人間の悪い部分を引き寄せるものでもあるのです。詐欺師は私たちの利他的な側面を悪用するのに躊躇しません。

それを明らかにした、私が最近受け取った2通のメッセージをご紹介します。

1つ目のメッセージは、Instagramのダイレクトメッセージ(DM)として届きました。差出人は私がフォローしているサステナブルファッションブランドで、内容は「I need your help(=あなたの助けが必要です)」の短いメッセージでした。このブランドに知り合いがいるわけでも、話したことがあるわけでもないのに、突然声をかけてきたのです。

このやり取りが向かう方向は薄々勘付いていましたが、彼らの行動を見届きたく、私は「こんにちは」と一言返信しました。その直後に、こんな返事が来ました。

「新しいスマートフォンで、新しいInstagramのアカウントにログインしようとしているのだが、パスワードの再設定のためのリンクを受信してくれる相手が必要とのこと。手伝ってくれないか?」

これに対して、私は「ネット上の他人にそんなことをしてもらう必要があるのですか?」と尋ねてみました。すると、「お願いします…」の一言とともに、以下の画像が送られてきました。

画像は、いかにも詐欺のような怪しい英文が付いていました。この時点で私はやり取りをやめ、アカウントを報告し、自分のInstagramでもこのことをシェアしました。

詐欺を見分けるには?

前述のInstagramのメッセージは、以下のことから、詐欺だと考えられます。

  1. 差出人とは一度もやり取りしたことがない
  2. メッセージが「助けてほしい」などのお願いで始まった
  3. 急かすようなメッセージが含まれていた
  4. 画像内の文章の文法が、複数の箇所で間違っていた
  5. 見ず知らずの人にリンクを受け取ってもらわなければならないような状況は、現実にはありえない
  6. プロフィールを見ると、ファッションブランドのはずが突然、暗号資産について投稿し始めていた

この詐欺アカウントの目的は何だったのでしょうか?途中でやり取りを止めたので、確実ではありませんが、「パスワードの再設定のための」URLをクリックさせようとしたことから、次のようなことが考えられます。

悪質なリンクをクリックすると、ウイルスをダウンロードさせたり、氏名や銀行口座などの個人情報を入力させるサイトに誘導したり、直接送金するように求められたり、あらゆるリスクに晒されます。私の場合は、マルウェアをダウンロードさせ、私のInstagramアカウントを乗っ取り、身代金を要求するつもりだったと考えられます。

次回は、2つ目のメッセージと、判断が難しい詐欺を見分ける方法をご紹介します。

この記事は、2022年1月11日に公開されたHow to tell if you're helping or being scammed onlineの抄訳です。

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