アバストにおいて最も重要なミッションはユーザーを安全に保護することです。Jumpshotに関するここ数日間の報道により、多くの方々が気分を害され、また正当な理由をもって、当社への信頼を含めたいくつもの事柄に疑問を抱かれたことと存じます。
アバストを代表して本件への責任を感じており、ここで関係者の皆様にお詫び申し上げます。
人々に安全を守ることはアバストの最優先事項であり、当社が行うすべてのこと、すべての製品にこの理念が含まれなければなりません。また、この理念に沿わないすべての慣行は除外されなければなりません。
上記の理由から、私は取締役会とともに、Jumpshotのデータ収集を終了し、Jumpshotの事業を終了することを決定しました。これは即時実行されることとなります。
私たちがこの決定に至った経緯についてご説明させていただきます。2015年に、当社のもつデータ分析機能を中核であるセキュリティビジネスの枠を越えて活用しようとの考えでJumpshotを設立しました。これはサイバーセキュリティがビッグデータ解析の能力に依存することが明確になってきた時期とちょうど重なります。その時期に、我々は自らの有する技術とリソースを活用すれば、他にいくつもあるデータ収集会社よりも安全にこれを行えることに気づいたためです。
Jumpshotは、当初よりアバストとは独立した会社として独自の取締役会と経営陣を擁し、アバストのアンチウイルス製品からのデータ取得によりその製品とサービスを形作ってきました。設立以来、アバストとJumpshotは法規定に準拠し、企業が顧客データをどのように扱うべきかという点を精緻に示した法的枠組みとしてGDPRを前向きに取り入れました。アバストとJumpshot各々がGDPRに対する100%の遵守をしています。
7カ月前にアバストのCEOに就任した際、私は多くの時間をかけて事業を隅々まで再評価しました。この過程において、私は当社が2020年以降に最優先事項に掲げているプライバシー保護という方向性に、このデータ収集事業がそぐわないものであるとの結論に至っていました。私自身が最も重要だと感じていたのは、アバストの唯一の目的はこの世界を安全な場所にすることであり、この会社におけるすべての事柄が、北極星とも言えるその絶対的な価値に収斂されなければならないということでした。
アバストのミッションである「世界をより安全な場所にすること」が最も重要であり、すべての事業がこのミッションと合致することが不可欠と考えました。
今回の決定により、数百人のJumpshotの従業員ならびに数十の顧客が影響を受けてしまうのはつらいことですが、アバストにとってこれは間違いなく正しい決断となります。私は、この決断はアバストがセキュリティとプライバシーという本来の目的に集中し、その全力を注いでいくことに資するものであると強く信じています。
今回の変更は、世界中の人々の安全を守ってきたアバストの歴史において、新しい時代の始まりを示すものです。我々は、2020年以降、自らがもつイノベーション、ならびに安全における優先事項に集中して職務を果たせることに胸を高鳴らせています。これまでのご支援と信頼に心より感謝を申し上げるとともに、期待を損なわぬよう最善を尽くすことを誓います。
この記事は2020年1月29日に公開されたA message from Avastの抄訳です。